ハウスみかんを獲得

ハウスみかんを獲得

前回、食と温泉を加えてお伝えした梅ヶ島の砂防ダム行脚であったが、今回は場所を伊豆半島に変えてお届けしたい。それも、来月9月頃に楽しめそうなルートを私なりに考えたつもりなので、まずは記事だけでも読んでいただければ幸いに思う。

内浦・西浦エリア

9月の伊豆半島でおすすめしたい場所は、北西部にある内浦・西浦エリアだ。交通アクセスであるが、東名沼津インターもしくは新東名長泉沼津インターからだといずれの場合も伊豆縦貫道を利用して南下するのがとにかくわかりやすくて良いと思う。伊豆縦貫道は三島市や田方郡函南町を経由することになり、東側に大きくふくらむため、遠回りにはなるが、この道が一番迷わなくていい。その田方郡函南町にある「伊豆ゲートウェイ函南」を過ぎれば、有料区間の「伊豆中央道」に入るので江間トンネルをくぐったあとその先すぐにある料金所で通行料金を支払う。通行料金は普通車が¥200円、軽自動車が¥160円だ。料金所を過ぎたらあとは直進し、これまた道の駅風の商業施設「いちごプラザ」前を通過、その次のインターチェンジ「長岡北IC」で伊豆縦貫道を降りる。降りたら西方向に向かって右折し、狩野川放水路を反対車線側に見ながら直進、「口野トンネル」という短いトンネルをくぐる。すると画像にある「口野放水路」という交差点に出るのでそのまま直進する。

口野放水路交差点

ドライブスルー型青果店

この口野放水路交差点から先が内浦・西浦のエリアの内浦となり、道路は県道17号線となる。県道17号線は内浦三津にある「三津シーパラダイス」あたりまでは南下し、その先にある富士見トンネルのトンネル内で進路を西側に変え、それから大瀬崎入り口を経由したのち再び南下し、終点土肥中浜三叉路まで続く。その間、約45.1㎞。そのうちあざ名に内浦と付くのは長井崎トンネルまでのおよそ5.5㎞の区間でその長井崎トンネルより先、大瀬崎までの区間約12㎞が西浦となる。この県道17号線沿いには多くの船宿や民宿があるのだが、伊豆の他地域と比べて異なるのはその多くが温泉とは結びつかない沸かし湯を提供する宿であるということだ。内浦三津にある旅館数軒は温泉を引いているが、それ以外はほとんど温泉とは無関係で、当然、日帰り温泉施設などもってのほかである。それでも民宿として生業を成立させているのは、接客サービスの質のみならず、新鮮な地魚が食べられるという事と、海との距離が近く、そのことが付加価値を生じているからであろう。内浦・西浦ともに地理的には駿河湾最奥部に位置し、一年を通じて海が静かであるため、海により近い場所に建物を建築することが出来る。今回ランチで訪れた西浦久連の「駿陽荘やま弥」もご多分にもれず道を挟んで直ぐが海、魚は超絶品という内容であった。また、同じく“食”をテーマに言うとすれば、これから9月はウンシュウミカンが楽しみである。冒頭で「9月頃に楽しめそうな・・・」と言ったのは、このためである。内浦重須には県道17号線沿いに2軒のミカン直売所があるのだが、面白いのは有限会社マルカ。県道17号線に面した倉庫の軒先をそのまま直売所としているので、車に乗りながらにして(しかし事故には注意!)、遠巻きではあるが商品を品定め出来てしまうという、言わばドライブスルー型青果店なのだ。こういった田舎の道路沿いの直売所はどうも苦手だという方もぜひ立ち寄ってみて欲しい。しつこく「買いませんか?」などと張り付いてくることは一切無いので安心して寄ることが出来る。これから9月は私の大好きな極早生品種の「日南1号」などの緑色みかんが店頭に並ぶことになる。残念ながら今回はフライングとなってしまってハウスみかん獲得となったが、これが露地栽培の緑色ミカンに切り替わる瞬間が今から待ち遠しくて仕方ない。

日南1号。土の上に落ちているのは摘果されたもの。
西浦木負の河内川河口。海に浮かんでいるのは養殖いけす。
駿陽荘やま弥
名物の鯛丼
店内にはコラボグッズがたくさん!

戸田or修善寺

さて、肝心の砂防ダムであるが、この内浦・西浦エリアにあまり良い場所は無い。これだけ多くの魅力を持った同地で音楽が出来ないというのは残念でならないが、西浦木負にある丁字路を南方向に曲がったあと、画像にある通り進んでみて欲しい。このルートを使って戸田峠まで上がったのち、戸田側が良ければ西へ、修善寺側が良ければ東へ降りれば良い。内浦・西浦エリアでおいしいものをたくさん食べ、養殖いけすやミカン畑などの経済文化を学び、動物注意の林道を走り、峠を越え、砂防ダムで歌い、最後、温泉に入って(これはおまけ!)帰るというルートである。いかがであろうか?尚、一番最後の画像にある北又川の砂防ダムは戸田峠からそう遠くは無い距離にある。今後、機会を改めて紹介しようと思うので乞うご期待!

西浦木負の丁字路。ここからとにかく市民の森に向かう。
市民の森前の分岐。ここを右に逸れる。
ここを左折。
動物注意リスバージョン。他にシカバージョンもある。
最後トンネルを2本抜けると戸田峠。
北又川の砂防ダム。

梅ヶ島のいちじつの思い出

今回は静岡市まで足を延ばした。

8月19日。翌日は8月20日。いよいよ8月が今年も20の大台に突入である。この20の大台に達した時から以降10日間ほどは今年の8月はどうだった、どうだったとやたらと振り返る不思議な自分が毎年いるのであるが、もう丁年をとっくに過ぎいい年した自分である。ダメな、ろくでもなかったこれまでの期間を取り返せとばかりに、今からでも遅くは無い、挽回するのだ。小学生の頃より様々な社会的権利を与えられているではないか。頭を使え。と自分に言い聞かせ、8月の残り約10日間を濃密に過ごそうとするのである。いやはや、こんなにも8月という月にこだわるのはどう考えてみてもその小学生の頃から、最終学歴である高校3年時に与えられた夏休みの影響であるように思えて他ならない。学校生活という管理された空間から、どうぞご自由に、というフリーランスの空間に放たれた自分。その自分がこの1ヶ月のあいだしっかりと予定を立て、その日その日やるべき課題を確実にこなし、そしてまた翌日を迎えるという日々の繰り返しがしっかり出来ていたかということをしきりに振り返ったりするのである。そしてそういった癖が昔、学生時代に付いてしまったらしく8月という期間に対してやたら充実感だの思い出だのを求める自分がいる。8月。他と何ら変わりないただの1ヶ月間なのになにか特別なもののようにして扱う自分がいて、しかもそれが質の高いもので無かったとすると自己嫌悪に陥ったり、そうなるまいと焦ったりするなんとも落ち着きの無い今日この頃なのである。

防護柵

ということで、やっぱり焦った。なにか、この夏休み期間(ではないのだが・・・)のうちになにか思い出を作ろうと。せっかくの機会、たまには伊豆半島以外のところに行こう。ということになり、静岡市北東部の梅ヶ島を目指すことにした。
8月19日。午前7時に自宅を出て、まずは新東名高速道路、駿河湾沼津SAにあるスマートICに向かう。久々の活躍となるETC車載器は大丈夫なのかという心配をよそにETCゲートのバーは難なく上昇し、スマートICを通過する。新東名に乗るとともに、まずは新静岡ICを目指す。と、ここですぐに異変を感じる。高速道路の一番外側の白線さらにすぐの所に、延々とガードレールと高さ2メートルほどのネットが伸びていて、運転するのに非常に抵抗を感じるのだ。―ニホンジカか?―この駿河湾沼津SA付近は道路そのものが愛鷹山のすそのに接するように出来ていて、ニホンジカが頻繁に見られる区間である。近くのゴルフ場付近にいる個体などはもはや住民票取得レベルに一般化しているが、最初はそのニホンジカの道路侵入を防ぐ防護柵なのかと思っていた。しかしそれはどうやら違うようで、これらの柵は本年4月より着手している新東名の6車線化工事の現場作業員、作業車両用の防護柵であることがすぐにわかった。高速道路会社によれば8月21日より制限速度を一部区間80km/hに設定してドライバーの安全面に配慮するようであるが、それでも一般道の制限速度60km/hをゆうに超える速さで防護柵からそれほど離れていないところをビュンと行くのは若干の怖さがある。オリンピックという祭典を前にしたその関連事業で、死傷者が発生するなどということがくれぐれも起きないようにとこれには願うばかりであり、そしてまた、運転に自信が無い方においては、新東名の利用そのものを控えた方が良いのではと感じたので、ここに記して発信しておきたい。

ガチ通せんぼ

件の防護柵との接触も無く無事通行することが出来、新静岡インターで新東名を降りる。インターを降りてからは県道27号線をひたすら北上することになるため、案内標識に従って県道27号線方向に向かう。―腹が空いたなぁ・・・―ここでインター降りてすぐのところにあるコンビニに立ち寄り、腹ごしらえをする。時間は午前8時。店内はクーラーが効いていて涼しいが外はもう朝から猛暑のまっ只中。そんな暑さに打ち勝とうとして購入したカツカレーがうまい。食事を済ませると一路、梅ヶ島を目指す。と、すぐに、「林道豊岡梅ヶ島線通行止」の看板標識がありドキッとする。まさか・・・、と思ったのであるが、これは梅ヶ島以降、山梨方面に抜ける林道の通行止めを言っているのだということがわかりホッと胸をなで下ろす。このことは決して冗談を言っているのでは無い。過去には同じ静岡市内で“ガチ通せんぼ”を食らい、目的地に行けなかったことがあるからだ。あぁ良かったという思いとともに再び目的地の梅ヶ島行きに気持ちを切り替える。それからはあちこちの写真撮影を楽しみながら、約2時間ほどの行程で目的地に着くことが出来た。

玉機橋右岸
大河内郵便局
平野橋から上流側を見る
大河内橋(右側は建設中)
金山砂防ダムと金山トンネル
梅ヶ島温泉街

adelaide

画像にあるのが今回の目的地となった「湯の島第2砂防ダム」である。梅雨の間からの潤沢な降水量に支えられて、当日はご覧の通りドカンである。ある程度予想はしていたものの、前回来た時のその様子から比べれば違いは歴然。冬と夏では砂防ダムはこんなにも違うのだと驚いた。堤体より落下した水は激流となって、そのすぐ下にある滝に吸い込まれている。川の本流に入ってしまえばその激流の餌食になるばかりなので、しかしそれでもなるべく低くなったところ、岸際の大きめの石に寄りかかれるようになったところを選び歌を楽しむ。選曲は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベンのadelaide。ここのところの天候不順によって全然砂防ダムに来られていなかったということもあり、歌っていて楽しいことこの上ない。私の歌声を安倍川源流のドカンが呑み込んでいる。自然の大きさ、猛々しさを感じながら、落水のドカンによって発生した水しぶきを浴びながら、歌を楽しむことが出来た。堤体すぐ近くに停めた車の上には、それを覆うようにしてフサザクラの枝葉が伸びている。誘惑に負けてその木陰の下の車内で昼寝をする。そしてまた、ムクッと起きては歌を楽しむ。そんなこんなでこの場所で過ごしたのは3時間半ほどであった。

フサザクラ

湯元屋

午後2時前、歌を終えて湯の島第2砂防ダムを離れる。今日は直(ちょく)には帰らない。梅ヶ島温泉の茶屋「湯元屋」に寄ると決めていたのだ。店のすぐ裏にある駐車場に車を停め中に入る。安倍川のせせらぎと対岸の緑が心地よい。盆のハイシーズンが抜けたこともあって店内は空いていた。実は当日は天気予報が雨予報であったのでそのことも影響していたのかもしれない。おでん5本+冷やしとろろそば+温泉入浴締めて¥2,000円のセットをいただく。まずは食事を済ませ、そして入浴。中に人がいなくて、貸し切り状態だったので電気を消して(というより消えていた。)内湯を楽しむ。明かりとなるのは外から差し込む日の光だけ。普段、渓畔林のその下の暗さのことをくり返しくり返し説いている私であるが、温泉の湯に浸かる時までこのありさまである。嘲笑していただければ幸いだ。ちなみに露天風呂もあるのでそちらもおすすめしておきたい。温泉から上がり、湯元屋をあとにしたのは午後3時頃であった。
―さぁ、帰ろうか。―このとき雨が降っていたのだが、店のご主人が傘を貸してくれるとのこと。駐車場にある車まではそれほど離れていなかったのでありがとうを伝え、しかし傘はお断りし、今日これまでの充実感に襲われ、雨のシャワーに濡らされひとりニヤニヤしながら駐車場まで走り、車に飛び乗った。梅ヶ島のいちじつの思い出である。

絶望的にうまいおでん
湯元屋
2018年2月撮影。
当日撮影した「湯の島第2砂防ダム」

あちこち

魅力がたくさんの観光地、伊豆半島。

最近、飲食の仕事を始めた。ホームセンターの仕事が終わってから約4~5時間、炉端焼きの店で夕方からラストにかけてのシフトで週に数回アルバイトとして働くことになった。沼津市内の主に観光客向けの炉端焼き店で、任された業務としてはキッチンとホール両方をやって欲しいとの事なので、ある時は厨房内で食べ物を準備したり、ある時は、提供スペースに出て行って接客をしたりと、店内をあちこち動き回っている。ホームセンターで7時間やったあとの勤務とあって、疲れはあるのだが、充実した日々が過ごせていると思う。

職場で欠かせないと思っていること

私は、このブログのタイトルにもある通り、本職は砂防ダム音楽家である。自宅のある静岡県沼津市を拠点として、主に県内伊豆半島を中心に、そのほか静岡県内各地、山梨方面、神奈川方面にあちこち足を延ばして活動している。
よく身近にいる人たちには、「明日は山に行ってくるよ。」と言って出掛けるのだが、「山?森山さん、なに山に登るの?」と返ってくることが多い。やはり山に行く、などと言うと大それた名前の付いた○○山なるところのその頂上目指して行くことをイメージする方が多いようで、これをテンポ良くうまく説明することが難しい。かといって、「砂防ダムに・・・」なんて言うと、「ダム?この辺にダムなんてあったっけ?」と来るので、これまたどうも調子が良くない。(←これは貯水ダムであると認識しているせいもあるため・・・)山でもダムでも無い、なにか一言で伝わるうまい言い方がないものかと思うのだが、逆にそこから、「あぁ、○○さん、砂防ダムって言うのは土砂災害を防ぐためのダムで・・・、そこで歌を・・・、モーツァルトとかベートーベンを・・・。」と、あれこれ説明するのは実は楽しい。お互いに時間があるような、ゆっくりとものごとを伝えられるような、そんなときには私の普段の活動について話をし、相手が自分について少しでも理解出来るよう努めているつもりである。私の通うホームセンターは従業員数がそれなりに多く、その中で業務を効率的に円滑に進めて行くには普段のコミュニケーションが欠かせないと思っているのだが、私の得意分野はは砂防ダムの話しである!他の人たちは、男性陣は車、サッカー、ゲーム、釣り、食べ物屋の話しなどでお互いを深め合っている。パチスロなどギャンブルの話しをする人は、商人の集まりにしては意外にも、少ない。女性陣についてはここに書くとなんとなく姐さん方から怒られそうなので割愛させていただくことにする・・・。家庭と仕事を両立する素敵な、魅了的な、そして何より強い!女性の集まりである。

賀茂郡東伊豆町の川久保川にて。8月8日撮影。

町と砂防ダム

そんなこんな、「明日は山に行ってくるよ。」と宣言してからの日々の砂防ダム行脚である。その日その日めざすのは大それた名前の○○山の頂上では無く、山の中でひっそり孤独にその役割を全うしている砂防ダムだ。砂防ダムの役割とは言うのはもちろん土砂災害の防止ということを言っていて、その流れる先には必ず家や田畑、道路などがあり、場合によっては大都市が控えている。つまり砂防ダムの下流側には必ず「町」というものが存在し、その町に対して砂防ダムが本当に土砂災害の防止に役立っているのかということについて一つ一つ、本来ならば丁寧に調べていかなければならない。砂防ダムこそ、造ってしまえばもうそれで終わりの建設物では無いのだ。よく砂防ダムが出来たことによって、サケ科の魚やウナギ、モクズガニなどが遡上できなくなったという話しを耳にするが、それまで、砂防ダムが建設される前までその上流域で魚を捕っていた人にとって、これほど恨みになる話しはない。また、魚に対してさほど興味が無かったとしても、砂防ダム含め流域見わたす限り一面が災害対策の名のもと護岸工事されてしまい、景観が大きく変わってしまった。という流域住民も各地に少なくないであろう。自分が幼かった頃と比べて大きく、悪い方向に景色が変わってしまったというのであればそれはそれは悲しいことだ。砂防ダムのみならず河川構造物を建設することは、そういった流域住民の感情的なマイナス面のリスクを伴うことであるし、であるからこそ、その感情の対価としてそれらの建設物が、大雨などの災害危険時にきちんとその役割を果たせているか、という評価はたいへんに気になるところである。町というものと砂防ダム(河川構造物)というものは近い関係にある。

同じく東伊豆町の白田川。一観光客として見て成功事例に思えるが地元民はどうか・・・?

観光産業

私のこれまでの砂防ダム行脚の記事を見ていただければわかる通り、その活動の中心地は伊豆半島である。伊豆半島は西も東も多くは温泉地を抱えていて、その温泉地の温泉という自然の恵みは地元民のみならず多くの観光客の愉しみとなっている。そんな多くの観光客が愉しむ観光地というものとの関わりを日々の砂防ダム行脚の中で考える機会が多くなり、観光産業を学びたいという気持ちが芽生えてきた。前述した通り、砂防ダムとその下流域の町というものは近い関係にあって、伊豆半島の場合はその町は皆どこも温泉を抱える観光地なのである。伊豆半島各地を車で走っていて、あぁこんな店があるな。とかこんな旅館、ホテルがあるな、というところからさらにもう一歩踏み込んで、中にあるものをまずは自分が学び、その内容について少しでもお伝えして行ければ。と思っている。
今まで通りホームセンターで、砂防ダム音楽に欠かせない渓畔林のその一本一本の元となる“植物”について学びたいという思いも持ち続けているから、この沼津の観光客向け炉端焼き店の仕事はトリプルワークの3番目という事になる。サザエ!ホタテ!ホンビノス!生ビール!と今日も店内をあちこち駆けずり回っている。

温泉で有名な湯河原の藤木川支流

社内販売製品

うまいよね!コレ。

ある日のこと。会社の休憩室でいつものように昼食後に米菓をポリポリやっていると、青物系釣り師兼売り場担当のI氏から声がかかった。「森山さん、それどこで買ったんスか?」 私「えっ、これは○○(近所のスーパー)ですよ!」 I氏「そうじゃなくて、ウチじゃ無いところで買ったんスか?」と。なるほど。売り場の光景を思い出してみればそうである。最近のホームセンターというのは私の勤務しているところに限らず、やたらと菓子やらカップラーメンやら飲料やらの加工食品を販売しているではないか!自分自身幼かった頃を思い返してみると、まだその頃はホームセンターが食品を取り扱っていることなど無かったような気がする。それがいつの間にか、本当に、気がついたときにはそういった加工食品を置くのが当たり前になって、犬用、猫用、人間用すべての食べ物をホームセンターが用意していることが現在では何もオカシい事では無くなっていた・・・。比較的広い売り場面積を生かして商品をドカンと大量に、中には外梱のダンボール箱のままどうぞ!とやっているものもあり、店全体の売上げ対における比率も決して小さくはない。ホームセンターとはどんな業態ですか?と聞かれたら、幼少時代であったら「食品以外のありとあらゆる生活雑貨を取り扱うお店です。」みたいな感じで説明がついたのかもしれないが、こんな現在の様子では言葉で表現のしようが無い。たかが小売業といえど、時代とともに変化をしていかないと生き残れないようなのである・・・。
ちなみに、このI氏との席に同席していた、ラージマウス系釣り師兼売り場担当のM氏は同一地域、ライバル社の某ホームセンターでショッピングカート一杯にしたビールを押していたところを自店幹部のT氏にブッキングしてしまい、ジロリとやられてしまったそうである・・・。I氏はとてもユニークな方、M氏は器の大きい方、T氏はコミュニケーション能力に長けた方なので、私の件も、M氏の件もおたがい苦笑い程度で済んでしまうのであるが、いやはや世間は狭い。社内販売製品を他社で買うときは要注意である。

接触冷感素材

最近、他社で買ったものに接触冷感素材のシャツとタイツがある。ホームセンターはご存じの通り、作業服関連も取り扱っている。当然のことながら接触冷感素材のシャツもタイツもその商品群の一部で勤務先の店舗にも置いている社内販売製品だ・・・。これらは自宅から近いところに作業衣料専門店があるためそちらで購入した。接触冷感素材の衣料についてだが、実は私自身恥ずかしながら今回初めてこちらを購入させてもらった。よって、これを着るのも今回が人生で初である。接触冷感という名の通り、生地に触れたときに冷たい感触が得られるようなのでこれからの夏の砂防ダム行脚に役に立つのではないかと思い、製品のことがよくわからないながらも導入しようと決めた次第である。まぁ、実際店頭で触ってみたときの感触として「これは行ける!」というのがあったのだが、一応購入後にネットで調べてみた内容としては、〔①繊維中に水分を多く含むこと。②熱伝導率、熱拡散率が高いこと。③触ったときに少し硬く感じる(シャリ感)こと。日本化学繊維協会HPより。〕とある。これら3点の原理によって生地に触れたとき冷たく感じるようなのであるが、実際フィールドで使ったときにどうなのであろうか?殊に砂防ダム空間という渓流での使用が前提となり、ウェーダーとの併用が必須となるためその相性というのがとても気になるところである。

接触冷感素材のシャツとタイツ
サイズは大きめのものを選んだ

ズブズブ

これまで私自身が釣り人の立場でウェーダーを履いてきたことはすでに当ブログに書かせてもらった通りであるが、夏場のウェーダーというのは本当に暑くてしんどい。なにせ、水の侵入を防ぐためにこのウェーダーという工業製品は足先を布が包み込むようになっているのだ。よく元プロボクサーのタレントさんがテレビで僕のサウナスーツは痩せますよ!みたいに薦めている光景を思い出すのであるが、アレってこんな感じなのかな?と思うくらい、夏場のウェーダー内は汗でズブズブになってしまう。そういった状態に陥ることから少しでも遠ざかるべくウェーダーと肌との間に接触冷感素材の生地を一枚はさむ。ということをやってみようとなったのであるが、夏の太陽が照りつける炎天下の中ではどうなのであろうか?そもそもそのような状態にあっては音楽家としての歌心というか、歌に対する気持ちの面で表現が困難な状態になるというのは過去の経験から明らかであるから、敢えてそういった条件を選ぶことは必要ないであろう。フィールドテストは早朝の涼しい時間帯をねらって前回も入った河原小屋沢で行った。

ポケットが無いためハーフパンツを1枚履いた。
+ウェーダー

実に軽やかなものであった

8月1日、河原小屋沢に向かって自宅を出た。件の接触冷感素材のシャツとタイツであるが汗が一切付いていない状態からのテストがしたかったため今回は自宅で装着せず、現地で着替えて身につけることとした。

猫越川右岸側林道の道幅が広くなったところに車を置き、そこで着替える。

「おぉ!」と言ったか言わなかったかはもう今となっては覚えていないが、その時その冷たい感触には非常に驚いた。上半身下半身ともに体表が冷たいものに触れ続けているような感覚でとても心地よい。タイツの方は表面がつるつるしていて引っかかりが無く、これならウェーダーの内部生地との干渉によるトラブルも少ないであろう。すねの外側部分が一部メッシュ生地となっていてそれ以外の部分がいかに素晴らしいのかがわかる。メッシュの所は生地の隙間が大きく、風によって空気が肌によく当たるはずなのであろうに、それ以外の接触冷感素材部分の方が圧倒的に冷たいのだ。wunderbar!
ではウェーダーとの相性はどうか?下半身にウェーダー、上半身にフローティングベストを纏う。いやはや、驚いた。冷たい感触は全く変化しなかった。このあとのことを言えば、ウェーダー内、つまり接触冷感素材に対して汗をかいたのだが、その汗をかいてからの方がさらに冷たさ、涼しさが倍増して感じられた。当日この装備で河原小屋沢の林道を歩いた時間は往復で1時間弱。早朝の時間であったため、より汗を多くかく炎天下の中でのテストではなかったが、そもそもの目的は音楽である。敢えてそのような条件下でやる必要は無い。接触冷感素材のもつひんやり感に包まれながら快適に行き帰りの行程を楽しむことが出来た。また、他社で買った社内販売製品を共にしたこともあいまって、この日の砂防ダム歩きは普段の仕事を忘れさせてくれる、精神的に解放された実に軽やかなものであった事もそれに付け加えておきたい。

盆栽岩の砂防ダム上の様子。河床が一気に持ち上がる。
↑の河床にある低い堰堤。2017年3月。
入り口ゲートから25分くらいの地点にある堰堤。(今回の目的地。)