前回、食と温泉を加えてお伝えした梅ヶ島の砂防ダム行脚であったが、今回は場所を伊豆半島に変えてお届けしたい。それも、来月9月頃に楽しめそうなルートを私なりに考えたつもりなので、まずは記事だけでも読んでいただければ幸いに思う。
内浦・西浦エリア
9月の伊豆半島でおすすめしたい場所は、北西部にある内浦・西浦エリアだ。交通アクセスであるが、東名沼津インターもしくは新東名長泉沼津インターからだといずれの場合も伊豆縦貫道を利用して南下するのがとにかくわかりやすくて良いと思う。伊豆縦貫道は三島市や田方郡函南町を経由することになり、東側に大きくふくらむため、遠回りにはなるが、この道が一番迷わなくていい。その田方郡函南町にある「伊豆ゲートウェイ函南」を過ぎれば、有料区間の「伊豆中央道」に入るので江間トンネルをくぐったあとその先すぐにある料金所で通行料金を支払う。通行料金は普通車が¥200円、軽自動車が¥160円だ。料金所を過ぎたらあとは直進し、これまた道の駅風の商業施設「いちごプラザ」前を通過、その次のインターチェンジ「長岡北IC」で伊豆縦貫道を降りる。降りたら西方向に向かって右折し、狩野川放水路を反対車線側に見ながら直進、「口野トンネル」という短いトンネルをくぐる。すると画像にある「口野放水路」という交差点に出るのでそのまま直進する。
ドライブスルー型青果店
この口野放水路交差点から先が内浦・西浦のエリアの内浦となり、道路は県道17号線となる。県道17号線は内浦三津にある「三津シーパラダイス」あたりまでは南下し、その先にある富士見トンネルのトンネル内で進路を西側に変え、それから大瀬崎入り口を経由したのち再び南下し、終点土肥中浜三叉路まで続く。その間、約45.1㎞。そのうちあざ名に内浦と付くのは長井崎トンネルまでのおよそ5.5㎞の区間でその長井崎トンネルより先、大瀬崎までの区間約12㎞が西浦となる。この県道17号線沿いには多くの船宿や民宿があるのだが、伊豆の他地域と比べて異なるのはその多くが温泉とは結びつかない沸かし湯を提供する宿であるということだ。内浦三津にある旅館数軒は温泉を引いているが、それ以外はほとんど温泉とは無関係で、当然、日帰り温泉施設などもってのほかである。それでも民宿として生業を成立させているのは、接客サービスの質のみならず、新鮮な地魚が食べられるという事と、海との距離が近く、そのことが付加価値を生じているからであろう。内浦・西浦ともに地理的には駿河湾最奥部に位置し、一年を通じて海が静かであるため、海により近い場所に建物を建築することが出来る。今回ランチで訪れた西浦久連の「駿陽荘やま弥」もご多分にもれず道を挟んで直ぐが海、魚は超絶品という内容であった。また、同じく“食”をテーマに言うとすれば、これから9月はウンシュウミカンが楽しみである。冒頭で「9月頃に楽しめそうな・・・」と言ったのは、このためである。内浦重須には県道17号線沿いに2軒のミカン直売所があるのだが、面白いのは有限会社マルカ。県道17号線に面した倉庫の軒先をそのまま直売所としているので、車に乗りながらにして(しかし事故には注意!)、遠巻きではあるが商品を品定め出来てしまうという、言わばドライブスルー型青果店なのだ。こういった田舎の道路沿いの直売所はどうも苦手だという方もぜひ立ち寄ってみて欲しい。しつこく「買いませんか?」などと張り付いてくることは一切無いので安心して寄ることが出来る。これから9月は私の大好きな極早生品種の「日南1号」などの緑色みかんが店頭に並ぶことになる。残念ながら今回はフライングとなってしまってハウスみかん獲得となったが、これが露地栽培の緑色ミカンに切り替わる瞬間が今から待ち遠しくて仕方ない。
戸田or修善寺
さて、肝心の砂防ダムであるが、この内浦・西浦エリアにあまり良い場所は無い。これだけ多くの魅力を持った同地で音楽が出来ないというのは残念でならないが、西浦木負にある丁字路を南方向に曲がったあと、画像にある通り進んでみて欲しい。このルートを使って戸田峠まで上がったのち、戸田側が良ければ西へ、修善寺側が良ければ東へ降りれば良い。内浦・西浦エリアでおいしいものをたくさん食べ、養殖いけすやミカン畑などの経済文化を学び、動物注意の林道を走り、峠を越え、砂防ダムで歌い、最後、温泉に入って(これはおまけ!)帰るというルートである。いかがであろうか?尚、一番最後の画像にある北又川の砂防ダムは戸田峠からそう遠くは無い距離にある。今後、機会を改めて紹介しようと思うので乞うご期待!