大好き河津町!vol.3

入り口となる電光掲示板設置箇所

今回は7月11日に行った鍋失(なべうしない)の砂防ダムについて紹介しようと思う。場所については画像にある通り。国道414号線、新天城トンネルを抜けてまずは河津町に入る。そこから約4キロほど坂を下り、その間2本のトンネルを通過する。その後「旅の駅吉丸」を右手側に見ながらさらに進む。この「旅の駅吉丸」からいよいよ入り口が近くなるので車のスピードを控えめにし、さらに400メートルほど坂を下る。すると静岡県警察の電光掲示板があり、その左手脇に反時計回りに渦巻くような道があるため確認しておく。後続車両などが付いてきていなくて、ブレーキングしながら左折で入れるようであれば直接入ってもよいのだが、おすすめしたい安全な方法としてはそこからさらに国道414号線を700メートルほど下って、反対車線にある停車帯のあたりでUターン(このときも後続車両に注意!)してから再び登るようにして引き返し、右折で入るというやり方だ。右折で入ってからは反時計回りにぐるりと回った後、国道414号線をくぐり抜けて少し走る。すると乗用車が10台ほど停められるような比較的広い駐車場に出るのでその駐車場からまた林道をさらに行く。1.8キロほど走れば“終点”の鉄製ゲートがあるのでまずはそこまで車を走らせる。この林道についてだが「踊子歩道」というハイキングコースとしての一面も持っているため、ゆえに歩いているハイカーも多い。うっかり事故など起こしてしまうことの無いよう気をつけて走行したい。鉄製ゲートの前には乗用車が2~3台停められる駐車スペースがあるので、まずはそちらに車を駐車させる。

反時計回りの描かれた河津七滝めぐり入口看板
水垂バス停。これも反時計回りの入り口にある。

事故の無いようお楽しみいただきたい

ここからは歩いて現場に向かうことになる。開始は鉄製ゲートの手前側に丸太階段があるのでまずはこちらを登る。続いてはスギの木の針葉樹帯を100メートル位い歩くと木で出来た桟橋があるのでその桟橋を渡る。桟橋を渡ってからは河津川の左岸側を沿うようにして続く。この一体は「落石注意」の看板があり注意を促していて、自分が歩いているその左上方を見上げれば確かに危険地帯であることが解る。どれほどの奥行きなのかは解らずその発生源も未知であるが、砕けた岩石が斜面上に散らばり、その範囲は自分の歩いている歩道上にも及んでいるような状態であるのだ。そんな一応の危険地帯でもあるが、右手側の崖下の藪の隙間から見え隠れする河津川のその美しさ、清冽さに心を奪われて不思議と落石云々などということはどうでも良いことになってしまう。言いたいことがあるとすれば、その発生確率がグンと上がる雨天等の荒天時にはこのような「落石注意」の場所の通行は避けた方が良い。地盤が緩むタイミングは要注意という事である。その「落石注意」の危険地帯を抜け北方向に進むと、やがて画像にあるような赤い鉄製の橋が現れる。ここまで来ると現場はいよいよ近い。赤い橋を渡らずに歩道を左に外れ、谷に降りる。谷に降りたら赤い橋のその下をくぐり抜け、河津川に向かって降下する。降下する際には傾斜がきつい箇所があるため長いストックのようなもので地面を突き刺し、体を支えながら降りるとよい。私の場合は自作のウォーキングポールを使って降りている。降りきって河津川に出れば、すぐに堤体本体からの落水を確認することが出来るはずだ。

ゲート前の橋から
丸太階段
赤い橋
赤い橋の下から河津川を見る

いつもより水量豊富な当地に

7月11日、当日はいかにも梅雨の中の一日という感じでこの鍋失の砂防ダムはいつもより水量豊かに落水もドカン!としていた。当地はその持ち有る景観としては渓流と言って間違いないところなのであるが、長い流程をもつ河津川全体から見ればまだまだこの程度は中流域と言え、さらに上流域には豊かな水源林とその土台となる山々が控えている。そんな中流域の砂防ダムであるこの鍋失の堤体上を通過する水は年中通じて豊富で、その落水によりいつ来てもごう音をとどろかせている。ちなみに梅雨時に当地を訪れるのは今回が初めて。―そんな調子で年中あるのに今日は梅雨の水量によってさらに大きな音を出しているなぁ。―というのが当日もった印象である。

左岸側にはワサビ田も見られる。

お決まりの立ち位置に

この現場での立ち位置はいつも決まっている。堤体の前左岸側約30メートルのところにタタミ2畳分サイズの白っぽい石が堤体に近い方、遠い方に前後合わせて2個置かれている。堤体に近い方の前側の石はそこから前方よりエノキの木の枝がビローンと伸びていて、その葉っぱによって木陰を作ってくれている。そのエノキの木を含め左岸側は豊かな森が控えており、また水を挟んで対岸側(右岸側)は樹木を乗せた崖が連なるようになって壁を形成していて、それらが光をさえぎり暗がりを形成してくれている。この暗がりというのが重要で、音楽を楽しむ上でより曲の持った世界に入っていくことが出来る。私はクラシックの分野を好みとするところだが、そのことは他のジャンルの音楽にも言えることであろうと思う。みんなの大好きな音楽施設ともいうべきカラオケボックスというのは基本的にちょっと暗い(薄暗い)もしくは暗いところで楽しむものでは無いだろうか?カラオケが世に広まりだした頃にどうであったかは私は知るところでは無いのだが、音楽という「音」を扱う芸術を追究しようとしていこうとするとき、その「音」とは科学的に混ざり合わない「光」というものに関して実は気をつかわなければいけないということがカラオケのその始まりからの歴史の中で明らかになってきていると思う。カラオケボックスは金を払って楽しむところであるはずだ。音楽を表現する“場”として、「ただ暗い」のでは無くて「暗いことに金を払ってまで手に入れる価値がある」ということが言えるのでは無いだろうか?

そのようなことを考えるからこそ私は金、時間を使って砂防ダムを訪れることを惜しまない!

ヤマグワ

チャレンジ!

この日は本当に歌を楽しめた。河津川中流域のドカン!に形勢としては負けてばっかりで自分の声はほとんど響きとして聞き取れないのであったが、この鍋失の大堤体を前にチャレンジすることそのものが楽しくてしょうがなかった。気分的なものとして今自分が立っている堤体前の景色が大好きで、またここに来るまでの道のり、その課程における様々なものから与えられた感動が自分自身を襲っていることがわかる。前述のタタミ2畳サイズの後ろ側の石はちょこんと座ることができ、そこに時折座っては体を休めながら3時間近くこの場で過ごした。

河津川と言えば滝で有名な同地であるが、それ以外にもこんなに素晴らしいところがあるのだということを知っていただきたく、今回記事を作成した次第である。

鍋失の砂防ダム

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