金時川

御殿場市内から見た富士山(御殿場市深沢)

2月3日。この日は、自宅のある沼津市から北を目指してハンドルを握った。行き先は御殿場方面。沼津市岡宮から始まる伊豆縦貫道にまずは入り、(伊豆縦貫道)長泉ICを目指す。今日は朝の出発が少し遅れてしまったせいもあってか、新東名長泉沼津インター過ぎてすぐの片側2車線→1車線合流地点は難なくクリアー出来た。

―最近、ここは大丈夫になったのか?―
この道を午前中走るのは久しぶりな気がする。もしかしたら、1年以上走っていないかもしれない。御殿場方面自体かなりご無沙汰となってしまっていたので、ここの名物渋滞が最近どうなのか把握できていない状況であった。

直後の長泉ICからは国道246号線に乗る。この先はずっと片側2車線の道が続いていて快適だ。空はさわやかな晴天で気分は上々である。

途中、御殿場市萩原で国道138号線に乗り換え、東名高速御殿場インター下をくぐったのち東山湖の土手を左手に見ながら進んだあと、深沢西の旧国道入り口にて右折。直後、左手に現れる林道入り口に車を置いた。

深沢西の信号

寒沢川

午前中は車を置いた所から寒沢川に入った。ここは、以前来たことのある場所なのだが、その時は何かのついでで立ち寄ったために装備が疎かで、堤体までたどり着く前に途中で断念している。かなりこぢんまりとした沢であるが、ここ数日間の晴天続きに冬場という条件下であっても水は途切れること無くしっかりと流れている。

実は自宅のある沼津市を中心として色んな川を見てきたが、同市以北の地域に関して私はかなり苦手意識が大きい。特に裾野市、御殿場市方面の沢に関しては溶岩層の多孔質部分(クリンカー)のはたらきによって、雨水がガンガン吸水されてしまうという特性があるため、せっかく現地に赴いたものの、
「沢が無い!」
という事態に何度も出くわしている。

この傾向が沼津市北部の愛鷹山から、山梨県の山中湖村ぐらいまで続いているため、いつしか、
「富士山麓はダメだ・・・。」
という苦手意識が生まれ、堤体を探したりすることそのものをあきらめてしまっていた。

そんななかで、でもこの冬の新規開拓のシーズンに御殿場方面でいいところを見つけておきたいな。ということで今回寒沢川を目指した。結果としては地理院地図にある“せき”マークは堤高5メートル程度の低い堰堤であるということが判明したが、流れる水も大変きれいで渓行の楽しさを味わえたと思う。川の上流には何か?があるようで、かなり整備された道を発見できたが余計なところでケガをするまい。ということで虻蜂取らず引き返した。

寒沢川

午後は金時川へ

寒沢川の低い堰堤では満足出来ず、午後は自治体界を跨いで駿東郡小山町に入ることにした。目指したのは金時川。こちらもやはり新規開拓で、地図で道を確認しながら向かうことになった。経由地として「ホテルGOLF」、「鮎沢川」、「紅葉橋」などが出てきたためそれらの位置をしっかり確認しながら進むと、直前の通過ポイント「ギャツビーゴルフクラブ」前に出ることが出来た。

そこから、金時山登山道の案内標識に従って進むと簡易水道施設が現れ、さらに少し進んだところで林道山側斜面の崩落に遭遇。これ以上車では進めないため、そこからは歩いて堤体を目指した。

崩落ヵ所から堤体までは歩いて5分ほどであった。堤高10メートルクラスの大型砂防ダムに歓喜。さっそく林道から沢まで降りる。沢に降りる前段階から河床が不安定なことが見て取れたため、最後水辺に降りる直前はかなり気を遣った。右岸側は針葉樹(スギ)、左岸側は広葉樹(?)によって出来た空間で、かなり明るい。

今の時期であれば、夕方の薄暗い時間が良いのではないかと思った。もうちょっと暖かくなって左岸側の渓畔林が回復してくれれば日中でもいけるかもしれない。明るすぎる環境の中、それでもなるべく暗い所をということで針葉樹の右岸側に寄って歌うと、なんとか楽しめた。

崩落に遭遇。

“怪しい記述”を目指した。

同地は15分ほどの早さでいったん退渓。再び林道まで上がり、もう一本上流にある“怪しい記述”を目指すことにした。通常、地理院地図は砂防ダム等を二重線マーク(前述の“せき”マーク)で示すが、時折どういうわけかそれを違う記述で表すことがある。どんな記述法かといえば一本線で表していた沢をある地点で突然広げたりする方法。

地図上には沢の途中に小さな湖のようなものが出来る。それが今いる砂防ダムより上流に確認出来ていたので行ってみることにした。

雨水によってかなり削られた林道に驚きながら進むと、目的の場所に到着。正体は巨大な鋼鉄製透過型砂防ダムであった。鋼鉄が小学校の体育館にある肋木(ろくぼく)のような形に仕上げられているのは、土砂を余計に貯留することを防ぐためであろう。排砂が必要なくなるという点において重力コンクリート式とは性格を異にする。メンテナンスフリーで人が来なくてもいいというメリット反面、ここまでの林道を見てわかる通り山林は放置されている。

いずれにせよ、これでは歌えない。

削れていると言うよりも穴が開いたに近い。
鋼鉄は肋木のような形状

今日は節分

来た道を折り返すようにして林道の(これはもはや)落とし穴に落ちないよう進み、車に戻った。その後、昨年3月にオープンしたはずの東名高速足柄SAスマートインターを確認しようということで、同所を目指した。鮎沢川に架かる新金時橋、JR御殿場線桑木踏切などを通過するとあっという間にSAに到着。

盛り土を固めて作った真新しいスマートインターは見事に仕事をしていた。有人の料金所と比べると実にシンプル。通行車両の運転手は、ETC車載器の作動音とともに虚しく開いたゲートを通過するのであろう。旅行での料金所通過を一つのイベントとして捉えるならば、近くの御殿場インターチェンジを使った方がいいかもしれない。

普段、伊豆中央道やら修善寺道路で現金決済をしているが、料金所の回収係も人という一つの立派なインフラなのかもしれないと思った。人が立っているかどうかで、その観光地の競争力に影響が出る。これは、普段勤めているホームセンターで上司からよく言われていることと似ている。その上司いわく小売業も人が立っているほうがよく売れるのだという。

腹も空いたので何か買って帰るか、と下り線側のSAに立ち寄ったらあの「柿次郎」が今日は恵方巻きを売っていた。そうか、今日は節分であったか!うまそうだったので、ついゲットしてしまったがよく考えなかった。
―フードコートじゃ恥ずかしくて食えない・・・、車中も見つかるかもしれん。―

足柄SAを出て、空腹に耐えながら帰路を走り続けたのだった。

足柄SAスマートインター(画像は下り線側)
柿次郎
柿次郎の恵方巻き
寒沢川の堰堤
金時川の砂防ダム





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