北又川の砂防ダム

三ツ石橋

北又川上流部の砂防ダムについて紹介しようと思う。まずは場所について。スタートは例によって伊豆中央道、修善寺道路を使っての伊豆半島南下からはじまる。修善寺道路は修善寺トンネルを過ぎた後すぐにある修善寺インターチェンジにて降り、インター下にある信号を左折、修善寺温泉街方向に向かう。コスモ石油、ファミリーマート、JA伊豆の国前などを通過した後、左手方向に「修善寺総合会館」が現れる。この修善寺総合会館前に、400m先、戸田港・西伊豆スカイライン方面は右折、という旨の案内標識があるのだが、今回使用したいルートはこれであるため標識に従い400メートルほどそのまま直進する。右折時、目印となるのは「五葉館」という赤い外壁の旅館で、その五葉館前まで来たら丁字路を右折する。ここから目指すのは、「広域基幹林道 達磨山線」の入り口。右折後、6.8km先にあるのだが、その入り口まではダラダラと登り坂中心に道が続く。ここの登り主体の坂で伊豆の思い出を作る人は多い。どこか遠くから来たであろう、学校、スポーツ少年団、ボーイスカウトなどの団体、個人ではオートバイ、ロードバイク乗りの者も多い。長く、アップダウンの続く坂を行くことに価値があるというということなのであろう。ロードハイキング、ツーリングといったことを麓にある温泉と併せて楽しめるというのだから、修善寺はじつに魅力ある財産を抱えた観光地なのであるということがわかる。そのアップダウンの途中には「虹の郷」や「伊豆国際カントリークラブ」などの広大な敷地を持った観光施設がある。注意したいのはその伊豆国際カントリークラブ以降の区間で、見通しが悪いカーブの続く道になる。前述の通り、この道を歩いたり走ったりしているのだから、そういった人たちとの事故には十分に気をつけたい。注意しながら進み、「広域基幹林道 達磨山線」入り口を迎える。名称に達磨山線とあるが、この道は達磨山の中腹を横断するようにして続く林道で、※最終地点は中伊豆~西伊豆の最主要ルート、船原峠の道、国道136号線である。そして入り口より林道に入ると、目的地はいよいよ近い。林道に入ってから、一番最初に現れる橋「三ツ石橋」がそうであるからだ。三ツ石橋まで行くことが出来たら、そのまま橋を渡って通過し、道幅の広くなったところへ車を停める。

※正式には国道136号線手前で途切れる。

修善寺インター下
五葉館
林道入り口
広域基幹林道 達磨山線

朱く塗られた橋

さて、北又川の砂防ダムであるが、多分、三ツ石橋を渡った時点でもう見つけられていると思う。何せ、その三ツ石橋よりわずか50メートルほど上流に堤体があるからだ。ここは橋と砂防ダムをセットで楽しむことが出来る場所だ。楽しむ・・・などと言ったって、そんな感覚の持ち主はモリヤマさんあなただけですよ!と、言われてしまうかもしれないが、いやいや、そうでも無いようである。画像にある通り、この三ツ石橋はわざわざガードレール製の欄干を朱色に塗装し、景観を良くしようとしているのだ。三ツ石橋から川をのぞき込めば、誰でも砂防ダムの堤体に目をやるのは明らかであるから、橋を朱く塗ることを“設計”した者の意図としては、「橋と砂防ダムのセットをどうぞお楽しみください。」ということなのであろう。またその橋と砂防ダムを取り囲むようにして生える樹木も伐採すること無く残されている。橋と砂防ダムのみならず、渓畔林も添えて演出するあたりに景観設計の技術的なものを感じずにはいられないのだが、これは私だけであろうか?砂防ダムと、またそれを取り囲む周辺環境について、どうすれば美しく見えるか。ということについて考えられていて、極めてプラス思考である。土砂災害防止のためのインフラとしてある砂防ダムをもっと多くの人に見てもらい、楽しんでもらおうという、心が感じられるのだ。建設関係者と一般市民がお互いに近づくことが出来、理解し合えるものをここに作った!ということに私自身、未来を感じている。

三ツ石橋と堤体。
北又川は修善寺川ともいうらしい。

美しさに反しての難所

この場所の音響的な特徴としては、なんといっても後方に橋が構えられているという事であろう。10月3日当日は、夕方5時に入って6時過ぎ、暗くなってからの検証も行った。暗闇の中、音に集中してこの場所を検証することが出来、大変有意義な砂防ダム行脚となった。結論としては、砂防ダムの堤体にぶつかった自分の声が、反射してそのまま橋桁、橋台に当たって響くという音環境なのであるということがわかった。普段、行っているような渓畔林だけで響かせるような場所とは違って、音の返りが早く、聞き取りづらさを伴うのだが、楽しみのバリエーションを増やすという意味では、また新たなものが手に入れられたと思う。今後はさらに、いろいろな砂防ダムに行き、このような音の返りが早い難所でも音楽をしっかり楽しめるよう、経験を積んでいきたい。他とは異なる場所ゆえ、ここで歌えるようになれば砂防ダム音楽の楽しみの幅はさらに広がるはずだ。未来を感じさせてくれる同地に対し、恥ずかしくない音楽を出来るようレベルアップして帰ってきたい。そんな決意を持った今回の砂防ダム行脚であった。

コケの生えた石と側壁護岸。堤体のサイド側も美しい。
堤体と三ツ石橋の桁。

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