各地の砂防ダムを目指して渓流を歩く自分自身にとってウェーダーは無くてはならない必須アイテムだ。春夏秋冬、季節を問わずウェーダーは大活躍で、その最大の機能とも言うべき水濡れ防止ということのみならず、フェルト底による転倒防止機能、汚れ防止、害虫被害防止機能、保温機能などウェーダーの着用によってもたらされるメリットは数多い。それゆえ橋や舗装路といった、いくら何でもそこは必要ないでしょう。と言われるような場所以外、常にウェーダーは“渓流歩きのお供”として、自分自身に同行される力強い味方となっている。
言い訳
私の場合、そんな渓流歩きのお供のウェーダーは常時、自家用車に乗用中である。もともとズボラな性格ゆえ、いちいち積み下ろしたりするのが面倒くさいから、というのが最大の理由であるような気がするが、最近やり始めた“朝一番の歌”のように朝パッと用意して、砂防ダムへ出勤前に出かけるというような、俊敏性、軽快性が求められるようなシーンではその都度、自宅内から敷居をまたいでこれを持ち出すという事をするよりも、車内に積みっぱなしという方が些細な差ではあるが時間的にも、精神的にも有利なのである。ここで言う精神的とは、つまりのところ気分的に楽だということ。私自身砂防ダム行脚をする際に持ち出すデジカメや手帳のほか、その他必要な専用アイテムなど絶対に忘れてはならないものに“だけ”気を張って、確実にこなしていきたいと考えているため、車内保管できる物はなるべく車内に留めておくのが有利。と考えているのである。ただしこの事は私のレベル範疇での成せる業であって、いわゆる世の中のマメな人は、都度、自宅から車内への移動を行うものなのであると思う。その人が砂防ダム音楽家であれ、渓流歩きの専門家であれ、自然観察愛好家であれ、釣り人その他アウトドアマンであれ、常にウェーダーが車に載っていなければならないという決まりは無いのである。出来ている人には出来ていることであると思う。繰り返すようであるが私の場合、―ウェーダー以外に絶対に忘れてはならないものがあるからそのようにしているのだ!―と言い訳させていただきたい。
6月14日、田沢川に入渓す
6月14日の早朝であるが田沢川の「田沢第3砂防ダム」へ行ってきた。同月7日に梅雨入りしてからというもの連日、降雨によって伊豆半島内の各地の川は芳しくない状況になってしまったのであるが6月13日、どうにか空がまる一日快晴に覆われ、それによって水量がいくらか安定したであろうとの予測が立ち、翌6月14日の夜勤明けに急遽、現地へ行くことで計画し、実行した次第である。当日は、その夜勤明けの状態で車の運転をすることが必要となったため、出発の前に砂糖のたっぷり入ったコーヒーを飲用したのであるが、そのコーヒーが作用しすぎてしまい途中、コンビニ駐車場で仮眠を取ろうと(計画のうちにあったため)車のシートをリクライニングにしたのであるが、寝付くことが出来ず、そのまま田沢川に入渓することになった。早朝のさわやかな空気の中、シューベルトの「ガニュメートD554」でWie im morgenglanze!といきたかったのであるが、体が完全に朝状態ではなく、夜の延長戦状態といった感じになってしまい、やむなく別の歌をうたった。
コーヒー飲用の他にしたこと
そんな今回の朝一番の歌であったのであるが、じつは伊豆方面に向かう前に、駿東郡長泉町の24時間営業のドラッグストアに立ち寄った。目的は、ウェーダーを保管する際に必要となる乾燥剤を買うためである。私はウェーダー保管において常に乾燥剤を片足に1個ずつ1セット入れている。こうすることで、ウェーダー内に発生するカビやにおいを防ぐことが出来るからだ。そして今のような梅雨時期以外の時でも、ウェーダーを現場で履き終えて最後片付ける際は乾燥剤を投入するということを年中欠かさずやっている。乾燥剤はくつ用として売られているものを用いれば良い。乾燥剤が粒状になっているうちは繰り返して使え、粒の形が無くなり、中身がゼリー状になった頃に交換することを繰り返せば常に乾燥機能がはたらいた状態での保管をキープできる。こうして管理されたウェーダーは足を入れたとき、サラッとした感触に毎回触れることが出来、においも抑えられる。交換どきの頃になった乾燥剤のそれなどはもはや匂いを吸着しきっていて、取り出したゼリー状物質から今度は逆ににおいがするほどの素晴らしいはたらきっぷりをいつもしてくれている。
渓流歩きをする際にはそのお供として「ウェーダー」と、そのウェーダーをさらに良いコンディションに保ってくれることうけあいな「くつ用乾燥剤」を招聘されることをおすすめしたい。