突かれながら、打たれながら

作る&体調不良で籠もった。

10月9日。外は台風14号通過前。体調不良もあって家に籠もった。
何をするかはもう決まっている。新しく導入するBluetoothスピーカーの初装着だ。

あらかじめ買っておいたBluetooth本体と通信販売で購入した帽子、手芸店で購入した綿テープなどの材料を集め、さらに裁縫セット、電気ミシンなども引っぱり出し制作の準備は万端。

あとはあったかいコタツがあれば完璧(作業台としても)なんだが・・・。

気が付けば、10月に入ってもう2週目。そしてその2週目も終わりに近づいている。日中の気温はここ一週間でぐっと下がり、気温を測ってみれば室内で19.5度。20度を下まわっている。

自身の服装もそうであるし、部屋の模様替えもそうであるし、そろそろ冬支度をしなければいけない。

今日は午前中~午後1時くらいまでは制作物づくりに時間を当てるこことし、そのあとは衣類や部屋まわりの冬準備にあてることで一日を過ごすことに決めた。(はずだった・・・。)

スピーカーはIPX4レベルの防水性も兼ね備える。

上。上。

さて、Bluetoothスピーカーであるが、今回は帽子に取り付ける。ご覧のような商品を用意したが、こちらは本来くびの後ろをまわして肩に掛けるようにして使う「ウエアラブルスピーカー」と呼ばれるものである。

ところで私自身、今年の6月にVメガホンを導入してから3ヵ月ほどが経った。音楽の楽しみ方はさらに幅広いものとなり、例えば声を発するときの「方向」には大きくこだわるようになった。

方向は多くのケースで「上」。

上を目指して歌うのはVメガホン導入前からのことであったが、導入以後は特に意識して取り組むようになった。

声を発するのも、上。
声を聞くのも、上。

そうしていく中で、伴奏の役割を果たしているBluetoothスピーカーが胸元にあるということだと、これがどうも都合が悪くなってきた。
声を発するという行動、声を聞くという行動、ついでに言うと視線の先には放水路天端や遠くの景色がある。

全ては自分の背丈よりも上にあるものを目指しているわけだが、それだけに伴奏の音だけが胸元という低い位置にポジションしているということが合わなくなってきていたのだった。

声を発するための「口」も、声を聞くための「耳」も、放水路天端・遠くの景色を見るための「目」も、全ては自身の「顔」という、つまり全身の一番高いところにあるのだから、Bluetoothスピーカーもなるべく高い位置で鳴ってくれるのがベストであると(仮説として)考えた上での変更。

制作にあたっては普段、裁縫道具なんて触りもしないものだから当然のごとく悪戦苦闘。それでもなんとか形にすることができて満足。これで次回の堤体が楽しみだ。

旧型。これを頭に乗せてやったりしてたので、必要性を感じていた。

やはり、・・・です。

午後1時半。自宅を出て車のエンジンを掛ける。さて、こんな急の寒さじゃあユニクロもニトリも人でいっぱいであろう・・・。それは良くない。
それに、何より

早く実戦で試してみたい!!

さきほど作ったばかりの制作物を持った体調不良者は、生活圏である沼津市を抜け、伊豆の国市、伊豆市と車を走らせた。
途中、やはり狩野川とコンタクトする場面が何度かあるのだけれど、それはそれはいかにも台風到来前で増水した川の姿を見ることになった。

まぁ、あそこなら入れるだろう・・・。

伊豆縦貫道は大平インターチェンジで降り、左折。田方南消防署前で右折。雨に叩かれながら県道349号線を南下し、しばらく走る。つい最近、社会問題が明らかになった柿木川であるがその川の出合も対岸から眺めつつ通過。そのまま雲金、矢熊と進み、田沢の集会所前、ヘアピンカーブのごとく折れる左折道で曲がり、坂を登った。

途中、田沢浄水場前で道路の一部が蛍光オレンジに染まっていてこれは何事かと驚いたのであったが、その上をちょいと見上げればキンモクセイの木。キンモクセイの花が派手に散らされてしまっていたのであった。

台風通過前、大地を叩く雨は決して弱くは無い。

田沢浄水場前のキンモクセイ

ジャラジャラ、ガラガラ

午後3時前、準備を整えいつものケヤキの木に向かう。ここは幅2メートルほどの水路に立ち入るとき、「木」に頼る。木は護岸の途中からニョキッと生えていて、それに足を掛けながら、幹に掴まりながら段差を降りるのだ。

水路に立つといつも以上に水が流れていることがわかる。台風通過前の降水で明らかに水量が増しており、その水が圧力を伴ってウエーダーのブーツを押してくる。音響的に言ってもかなりのお祭り騒ぎで、床止めに埋め込まれた割石のひとつひとつに水が絡まり、自然河川では瀬が発するようなジャラジャラともガラガラともつかない音をとても威勢よく、断続的に鳴らしている。

ケヤキの木から100メートルも遡れば堤体前だが、結局そこまで遡りきってもそのジャラジャラ、ガラガラは変わること無く、それどころか堤体の落水が床止めに直接打ち付ける(「水叩き」の)音がさらに加わり、非常ににぎやかな空間へ登場することとなった。

こんなんで本当に大丈夫か?

今日もお世話になります。
ジャラジャラ、ガラガラ
ヒノキの枝の下をくぐりながら進む。

台風通過前の渓

右岸側に落ちていた米俵サイズの石の上にVメガホンの入ったバックを降ろし、中身を取り出す。取り出したら組み立てて、取り敢えずは左脇に挟む。そして空いた右手で待望の!Bluetoothスピーカーの電源を入れ、さらに伴奏データの入ったボイスレコーダーも電源を入れる。
早速、ボイスレコーダーで「機器接続」してみると・・・?

ん?何も聞こえない・・・。

だが、どうやら機器接続は完了しているもよう。続いて曲を選び出して「再生」ボタンを押す。

何も聞こえない・・・。

スピーカーの右手側、ボリューム調整で「+」を押し続けるとようやくverborgenheit(フーゴ・ヴォルフ)が聞こえてきた。すかさず声を合わせてみると、

今度は全く響きが聞き取れない。

それも皆無!と言って良いほど。

これまでにこの堤体には何度も来ているが、こんなに響かないのは経験した覚えが無いというくらいのレベルの酷さ。スピーカーを被ることで、耳を傾けるのは上方向だけに集中できているというのにも関わらず、芳しい結果が返ってこない。

う~ん。原因は?

水が床止めの割石にぶつかる音が大きい。さらに水叩きの音も加わる。こういった音に自分自身の声が飲み込まれてしまっているからなのであろうか?うるさいことは確かだが、こんなにも響きが聞き取れないような音の力関係になったのは久しぶり。台風通過前の渓を完全にナメきっていた結果が出たか?

いやはや制作物のテストということで軽い気持ちで入った田沢川であったが、どんでん返しを食らうことになってしまった。自然界から放たれる音に完敗を喫するハメに。

こんなことがあるから砂防ダムの音楽はおもしろい。簡単に響きが作れるようだったらつまらない。

っていう、これが一つの醍醐味でもあるのだけれど・・・。

やはり全く声が響かないのではここまで来た甲斐が無いし、次の機会には苦手意識が残るような気がする。

午後4時、依然としてジャラジャラ、ガラガラ鳴り続ける水に耳を突かれながら、雨にも打たれながら敗戦の渓を後にした。

スピーカー正面から
スピーカー横から
インナーにはミドリ安全のINC-100を装着。
雨に対する耐候性は確認できた。
堤体前の床止め(護床工、帯工とも)
まだ紅葉には早い。(イロハモミジ)
堤体全景

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