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12月14日正午過ぎ。まずは伊豆市修善寺にある展望台へ。
入渓前に美しい駿河湾と富士山、そして自身の在住するまち沼津市を見ておこうという事で展望台のデッキ上にあがった。
もう午前中の寒い時間帯は越えてしまったが、それでも遠方の景色の見通しは良く、奥には山梨や神奈川県境の山々までが見える。そして奥から徐々に近づいてきたところに静岡県東部の市街地、一番手前側の海に接しているあたりが沼津市だ。
沼津市を南側から眺めることが出来る、数少ない、非常に貴重なビュースポット。
ふと右横、ほぼ全面ガラス張りになった建物の中を見る。室内では自身と同様、遠くの景色を見ながら、さらに食べ物を口に運んでいる人が数名いる。こちらの展望台のデッキ上とは環境が打って変わり、コートを脱いで食事を楽しむという余裕っぷりが垣間見られる。
エアコンの効いた室内の暖かさ、美味しそうな食べ物。
たまらず誘惑に負け、車を停めた駐車場側まで戻り、正面入り口から室内に入る。建物の名は正面入り口側の外壁に書かれているとおり「だるま山高原レストハウス(達磨山高原レストハウス)」。
テイクアウトのメニューはありますか?
聞けば、一部のメニューについては持ち帰りが可能だという。エアコンの効いた室内に誘惑されて店内を訪れたのであったが、自身の年齢と置かれている立場(旧修善寺町外からの訪問者ということ)を考え、テーブルは他の方に譲ることにした。
入り口近くで商品の出来上がりを待つ。清算をしたレジの横には展望台デッキから撮影したとみられる美しい景色の写真が置かれている。これは日本の山の象徴ともいうべき富士山が含まれているあたりは、外国人向けなのかな?と。
昨年の今頃であったら、外国人も日本人も来る人は大歓迎。お互い国際交流も楽しみましょう。で、間違いは何も無かったはずだ。異論を唱える者など誰もいなかったと思う。
それが年明けまもなくからの・・・。
海外、そして日本全域が“怪しい地域”となってしまった。そしてそういったことには東京都とか大都市圏だけの問題だと思っていたのだが、今や伊豆の田舎の町でもウイルスの蔓延が明らかに。
自身で出来ることは、感染の予防。手洗い、消毒、マスクの着用、密の回避。
個人的には移されることもそうだし、移すことも怖い。移した先によっては莫大な経済損失が発生することも考えられる。
社会的距離・・・。とやらを。
砂防ダムを目指して、その道すがら観光地に接していながら、その地域の人に必要以上に関わることが出来ないというのは、非常に、非常に残念でならない。
懇願の年の瀬。来年こそはいい年にしたい。
ようやく出てきた食べ物と代金を交換し、店を出る。車に乗り込みそのまま東進。およそ1.8キロ走って現れた「達磨山林道」入り口に右折して入る。そこからさらに1キロほど走って車を停めた。
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アブラハヤ
朱い欄干の橋がある。橋の名は「三ツ石橋」。
車は三ツ石橋をわたってさらに進み、道幅の広くなったところに駐車した。橋上を通過した時点で確認をしたが、上流に見える砂防堰堤(修善寺川第1堰堤)は今日は伏流寸前、ギリギリ落水の状態。
白泡を伴うほども無く、放水路天端から堤体水裏をコーティングするように、コンクリートの表面に薄い皮膜を作るように水が落ちている。
これは電気稼働の噴水では無い。一見故障したようなその姿を見せる堤体本体であっても、この水量こそが自然ありのままの姿であり、逆に言えばこの時期にしか見られない堤体の魅力なのである。
落水で鳴らす。ばかりが堤体では無く。
時には大人しく、静かに黙り込み、気品を感じさせる堤体が時にこうして目の前に現れることがある。
堤体前には渓畔林によって作られたうす暗い空間。うす暗い空間から感じられるのは、艶(あで)と、色気であり、つまりのところ、
「惹きつけている!」。
今日のように時には、水量少なく、植物に勢い無く。
その弱々しさを、その苦しそうな感じを、同情して「癒やされた。」なんて言うことは、間違っても無いだろう。
池のように静かになってしまっている川面も、溜まっている泥も、石や護岸にこびり付いている蘚苔も、そこに枝ながらも影を落とす樹木も、すべてが、
惹きつけている!
朱く染められた欄干は着物のよう。これも非常に重要。
惹きつけられてしばらく、その池のように静かになっている川面を眺めていたら、一匹のアブラハヤが上まであがってきて一輪の波紋を作った。
おい、スケベ野郎~。
わずか数センチばかりの小魚にバカにされたような気がした。
コンニャクも食えないガキにこの魅力がわかるか!
先ほど買ってきたみそおでんにかぶりつきながら、こっちは大人で偉いのだと魚に向かって訴えてやった。
違っているのはわかっている。
よく見れば、ここは最近「剃り」ほどの施しが入ったようで、前より一段と綺麗になっている。右岸(向かって左側)からはカバノキ科ヤシャブシが伸びていたはずで、左岸側にはほぼ垂直に伸びるアカメガシワの木があったはずだ。
伐ったことで、がぜん堤体が見やすくなった。その差は落葉樹が元気になる夏場だとさらに顕著になって現れることであろう。
アブラハヤよ、来夏にでも再会しようではないか。
再訪を誓って三ツ石橋をあとにした。
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地元の厚意
その後は、2時間ほど北又川を散策したあと、場所を湯舟川に移すことにした。達磨山林道をさらに船原方向に進み3キロほど走って牧場橋手前を左折する。
ところどころ暗くなった人工林を走り抜けてゆくとニホンジカが突然林道を横切ったりする。腕時計の示す時間は午後3時半。まだ明るくあろうとも、もうそうそう長くは無いのだということを山の居住者の登場で知る。
桂大師への登山道前を抜け、さらに行くと湯舟川ふれあい公園入り口。公園内に入って上流側に車を走らせてゆくと、ケヤキの木がみな枝だけになっている様子が目に入ってきた。前回来たときはこんな状態では無かったはずだ。
ソロキャンプとやらが・・・?
今夏は流行ったか?例のウイルスの影響により。“使用感”は例年通りといった感じを受けたが、何せトイレが無いから・・・。人によってはキツいのでは?そもそもここはキャンプ場では無いし。
いずれにしてもゴミは持ち帰ろう。お互いに。地元の厚意もあって使えているのだということを忘れず。ゴミも灰も・・・、全てを。
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枝
公園最上流部のスリット堰堤である湯舟川第6号床固工の横に車を置き、準備を整える。先ほどの北又川はかなり伏流気味であったが、こちらの湯舟川は水がしっかりと流れている。
午後3時40分。踏み跡を下りて川の中に立ち入る。そのまま上流方向に歩くとものの10分もしないうちに湯舟川第2堰堤に到着。
堤体前の空間を見て前回(今年の9月)の時との違いを思い出す。川石の配置はあまりよく覚えていないが、当時から現在までの期間中、目立って荒れた実績は無いはずなので変わってはいないだろう。
水量は前回より確実に落ちているので、今回の方が比較的イージーに鳴らせることが出来るのではと予想。果たして・・・?そして、一番の違いはやはり渓畔林の状態。
さきほどの湯舟川ふれあい公園のケヤキの木々がそうであったように、全体的に葉が落ちて枝だけの状態になっている。もともとここは川の中央付近にほとんど何も覆いかぶさるものが無いオープンな場所なので、より一層、空まで突き抜けて非常に明るい空間が出来ている。
早速Vメガホンをセットし、声を入れてみる・・・。よく響く!
状態としてはかなり良くて、例えば堤体水裏、堤体二階部分、両サイド、いずれの方向に声を入れてみても大変に良く響く。周辺に生える木々が枝だけになって、その枝に声が当たって返ってくる感じがなんとも心地よい。
堤体前空間に並ぶ石、堤体本体のコンクリート、木々の幹、枝すべてがよく声を返してくれる。
かなり遊べる堤体だ!
夕暮れで暗くなるまでの間、歓喜とともに音楽を楽しんだのだった。
夕暮れで暗くなるまでの間。
夕暮れで(悔しくも記事はここで)終わり。
あぁ、
ここから温泉って、
書きたかったなぁ・・・。
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