業務連絡

「かいのび」建設現場

堤体の周辺環境という考えがある。中心にあるのはつねに砂防ダム等堤体類。その半径100メートルにあるもの、その半径1キロメートルにあるもの、その半径10キロメートルにあるもの。

すべて周辺環境だ。

業務連絡。

周辺環境ベースで集客しましょう!

考え方としては、うまいメシを出してくれる店も、温かい温泉でもてなしてくれる宿も堤体本体と分離されたものではないということ。

お互いに協力し合って集客をおこなう観光インフラだ。

周辺環境として一心同体の関係にある。敵じゃない。お互いが仲間同士。

安全鋼板に囲まれているため、中の様子はわからない。

かいのび

4月26日、午前10時、山梨県甲斐市篠原。

車を置いたのは甲斐市役所駐車場。そこから、市役所前道路を南へちょっと進むと安全鋼板に囲まれた建設現場があらわれた。

甲斐市市営しのはら公園子ども体験学習施設「かいのび」。その建設現場である。

かいのびとは。

※雨の日でも思い切り体を動かすことができる大型遊具を備えた遊戯体験スペースや図書スペース、子育て相談や子どもの一時預かりスペースの設置を予定しているほか、県緑化センターが果たしてきた役割を継承し、子どもたちの遊び・学びの場として、木育を中心とした体験学習を行うなど、地域における子育て支援の活動拠点として整備します。

※広報甲斐 令和6年5月号より

子どもたちのための、そして、その親たちの施設ということらしい。

コンセプトは、

「次世代へつなぐ創造の森」。

そうだ。ここはもともと森であったのだ。

過去に一度きている。何であったか?山梨県のちょっと古い感じの地図を見ていた折り、地図上に「山梨県緑化センター」なる記述を発見し、その存在を知ったのだ。

緑化センター?何?と早速、ネット検索。だが、その頃にはすでに施設は閉鎖済み(平成26年3月)であった。

廃墟か。

だが、その敷地を航空写真で見れば明らかに緑化センターの名残と思われる森が残っていた。

樹木好きの血が騒いだ・・・。

施設は、立ち入り禁止やら防犯カメラ撮影中の紙が何枚も貼られていて侵入できないようになっていた。

訪れたときの暦は9月。施設を囲む市道からは、鬱蒼と茂る緑、放置されて暴れ枝になった庭木、自由気ままに伸びる生垣。敷地内はまるでジャングルのような様相であった。

ガサガサ・・・、



猫だ。きっと猫にちがいない。猫だと思いたい・・・。

正体不明の動物の存在も相まって、なんとも不気味な廃墟スポット。

キイロスズメバチの羽音に冷や汗を垂らし、

蚊に食われながら、

それでも市道越しにではあるが、いろいろな樹木を見て回ったのであった。

いい一日だったと記憶している。

個人的には、そのまま改修工事などもせず「再解放」のようなかたちで開園してくれれば十分であった。

管理の行き届いていない木々であろうと、その種であることに変わりはない。改修の都合上、切り倒され、種を減らすことのほうがマイナスだ。(実際、今回の改修工事によってどれだけの木が伐採されたのかは不明であるが。)

木は実物を見なければ覚えられない。どんなに素晴らしい教材が開発されようとも実物を見るという行為には敵わない。

タブレット端末?

わからない。生まれたその瞬間からアイフォーンで動画撮影されてきた、そんな世代の脳は。

ただ自身も含め、昭和生まれのジジババには悪影響だと断じて言える。

実物と紙の図鑑こそ最強の組み合わせ。

新規オープンは来年の3月とのこと。やはり紙の図鑑を持って訪れたいと思っている。どんな樹木が見られるのか。子どものための施設であるとのことだが、期待は大きい。

多目的棟の屋根が見える。
裏側から。
緑化センター時代の木も有効利用されるとのこと。

昼食

午前11時、市役所前の公園で昼食を食べることに。昼食は近くの「ほっともっと」で買ってきた弁当だ。

市役所前の公園。公園には東屋があり、座って過ごすことができる。なんとも平和な市役所前公共スペースである。

春の陽気。

日影であるのに、ちっとも嫌気がしない。つい数日前であったら、こんな風にはならなかったであろう。

市役所と敷地を同じにする市立竜王図書館。その玄関脇にはツツジが咲いている。

ツツジはよくある生垣くらいの高さに整えられたツツジではなく、さらに低く刈り込まれたもの。

地を這うかというくらい低くなった株に、力強く咲く花がなんとも見事である。最近よくテレビに出ているフィギュアスケートの選手みたく、小さくても非常にエネルギッシュだ。

午前11時20分、弁当を食べ終え、竜王図書館に向かう。

貸出カードを作っておこうと思った。本を借りられるようになれば、家に持ち帰って調べものができるようになる。

それだけでは無い。

山梨県甲斐市。隣接する自治体は山梨県甲府市。県庁所在地には「山梨県立図書館」がある。

県立なら・・・。

そんなふうに考えていた。

ものごとを浅はかに考えていると損をするらしい。気がつくことが出来たのは、図書館の蔵書をよーくよーく調べてみたからである。

これはつい最近のことだ。

蔵書数でいえば圧倒的に県立。だからといって県立が絶対ではない。本が多いことと情報保有しているかどうかの可能性は比例しない。

市立だからこそ見つかる資料というものがある。

バカにしてちゃいけなかった。小さな図書館を。

通える足があるというなら、さらにあちこち行ったほうがいいらしい。

午前11時50分、甲斐市役所駐車場を出庫し、市役所前道路を北進。「竜王駅入口」交差点にて左折し、国道20号線を走る。

竜王立体を越え、竜王北小学校前横断歩道橋をくぐる。ユタカ農機まえの右カーブをこえて道をすすむと「赤坂台総合公園入口」交差点。

ここで右折し、赤坂台総合公園(ドラゴンパーク)を右手に見ながら直進。つきあたりの丁字路交差点まで走ったら左折。

クスリのアオキ、海老菜給食センターまえを通過。美容室LUCIDAの看板を見たところで左折。

午後0時20分「湯めみの丘」に到着。

ここは日帰り温泉施設。ひとっ風呂浴びるのである。

甲斐市立竜王図書館
低く刈り込まれたツツジ。
市役所前公園の東屋
ほっともっと竜王篠原店
甲斐市役所
森山登真須在住。甲斐市。
湯めみの丘

APITAに行く

午後1時5分、湯めみの丘を出発。

西進し、「竜地」信号交差点。堤体に向かうなら北進(右折)なのであるが、逆方向。南進する。つきあたりの丁字路交差点で右折したのち、国道20号線へ。西進し、「双田」信号交差点まで走ったところで左折。眼前にあらわれたのは「APITA」の文字。

午後1時15分、APITA双葉店(ラザウォーク甲斐双葉)に到着。

立体駐車場3階へ。

つかの間の休息。

午後2時、1階売り場へ。銀座コージーコーナーにてシュークリームを購入。

午後2時20分、車の中でシュークリームを食べたあと、APITA双葉店(ラザウォーク甲斐双葉)を出発。堤体に向かう。

ふたたび「竜地」信号交差点までもどり、北進。道なりにすすみ「西町」信号交差点で左折。

道をひたすら北上した。

午後3時50分、林道観音峠大野山線のゲート前駐車スペースに到着。

APITA双葉店(ラザウォーク甲斐双葉)へ
立体駐車場にのぼる。
シュークリーム
堤体に向かう。
フジ
アブラナ
オオアラセイトウ
クサノオウ
林道観音峠大野山線のゲート

湿地帯

車から降りて入渓の準備。

ウエーダー、ジャケット(風を通さないもの)、フローティングベスト、ヘルメット、登山用ポールなどいつも通りの装備。

午後4時15分、林道を200メートルほど下る。下ったところにあらわれるのがカーブミラー。そのカーブミラー手前、林道から分岐しているブルドーザー道があるのでブルドーザー道に逸れる。

ブルドーザー道を下りきったら、「亀沢川」の本流があらわれるので川をわたり対岸へ。なおもつづくブルドーザー道にしたがうと、谷止工2基があらわれた。

谷止工を右岸側から2基とも巻く。上流側の谷止工を巻くと湿地帯があらわれたので湿地帯に入った。

湿地帯をほんの数十メートル遡行すると、眼前に谷止工が。

午後4時半、目的の谷止工に到着。

林道からブルドーザー道に逸れたところ
亀沢川の本流
2基の谷止工
上流側の谷止工を巻く。
湿地帯があらわれた。
堤体前へ。

見かけの高さを上げる工夫

水は放水路天端の横幅一杯をつかってきれいに落ちている。

堤体水裏は、水が落ちているところと、そうで無いところとで完全なツートンカラー。

水量はほんとうに少ない。ここは前述の亀沢川の支流となる沢。ここより上流の流程長は不明であるが、距離的に見て甲斐市・北杜市の分水嶺が非常に近い。

堤体水裏にうすい水膜をつくるような湛水は、もはや遠目にはほとんど流れていないようにすら見える。

堤体の最下段には、高さ60センチ程度の段差。段差には奥行き方向のくぼみがあり、水膜を保持できなくなった水が落下する。

やっと、水の存在がはっきり露呈される。

落下し、堤体からはなれた水は岩盤へ。

堤体直後(約15メートル以内)では岩盤上を。以降は堆積するガレの中を。

ガレのなかで水は意外なほどおとなしい。

層にもならないうすい膜状の流れである。水はガレの石に乗ることができない。

ガレ石ひとつひとつの足下を何事もなかったようにシレッと通過するだけの水。

ガレを越えた水は湿地帯へ。

湿地帯は腐植をたっぷりと含んだ、真っ黒な湿地帯。

湿地帯の畦には芽生えたばかりのミゾソバがびっしりと生え、真っ黒な土の上に緑のシートをかぶせている。

プレーヤーの立ち位置はなるべく下がり気味に。湿地帯まで引いた方がいい。

堤体は見えている基礎部分から放水路天端まで6メートルほど。この堤体をボリュームアップさせるには斜面の尺を利用する。

見えている基礎部分から放水路天端までの高さ+斜面の高さ=堤体の見かけの高さ

目視できている堤体本体の高さに斜面の高さがプラスされれば、より高い建造物として見ることができる。(図1)

引くだけ引けば(より下流側に立てば)、見かけの高さが上がる。

このようにして、高い位置をねらえるように工夫する。さらに、引いているので的が遠くなる。的までの直線距離が伸びる分、より広い空間での音楽ができるようになる。なにより、上を向いている方が気分がいいではないか!

立ち位置は決まった。

あとは実際、声を入れて響きを楽しむだけ。一点だけ。注意点。足場のぬかるみは一級品のぬかるみ。踏みどころによってはズボッと足がハマってしまう。これにハマるのはまた感触として面白いのだが、ハマったあとに転んでしまうかもしれない。

とくに、泥だらけになって思い出作りをしたいなどという希望がなければ、足場の固いところを探って歩くほうがよさそうだ。

図1
ツートンカラーの堤体
堤体最下段の段差
岩盤とガレ
ピョコッと生えているのはハシリドコロ。
上から。ガレと湿地帯の境目がわかる。
湿地帯。ぬかるみ。

ストレートに

自作メガホンをセットし、声を入れてみる。

非常に単純な鳴り。

声が堤体本体に当たって、立ち位置後方の山の斜面で響いている。

眼前、堤体前は沢登りでいうところの「函(はこ)」と呼ばれるような地形。声は函の断面だけを拡散せずに走っているという感じだ。

ストレートに走って、ストレートに帰ってくる声。

意外にも、左岸側・右岸側両岸の渓畔林が効いていない。声は両岸の崖・樹木を越えて横方向に広がることができないらしい。

細く狭まった直線的な流路の両サイドに控える密度の濃い林。しかし、その木々が声をうまく拾ってくれない。

風が吹いてくれようものなら、声のほうからふらふら両サイドに寄り道をしてくれるのかもしれないが、無風のためそれも叶わない。

距離にしておよそ40メートル。奥のコンクリートの壁に当たった声が、何事もなく跳ね返ってきているというきわめて単純な響きだ。

クールショットプロはメートル表記に変更した。
これで堤高、堤長と単位がそろった。
方位は北北東
風は無風。
当地は亀沢川の支流。
左岸側
右岸側
細く狭まった直線的な流路

業務連絡

結局、この日は午後6時まで堤体前で遊んだ。

当地は、細く狭まった直線的な流路に対し、両岸の崖・樹木が迫ってくるような空間。

横方向にコンパクトな空間は見るからに響きの創造に長けた空間であった。両岸から迫る樹木に声がよく絡み、特色ある響きを聞かせてくれるものとの期待も込めて声を入れてみた。

しかし、期待は裏切られた。

声を入れることを何度も試みたものの、谷の直線的なルートに沿った声はそのままストレートにコンクリートの壁に当たっては、直接プレーヤーの方向に帰ってくるだけだった。

堤体前。やはりこの空間は、実際に立って声を入れてみなければ、どうなるのかわからない。

一見して何かが起きそうだと予想した場合でも、実際、声を入れてみるとなんともなかったりする。

全くもってやってみなければわからない。

やってみること。

実践。

実践にて知るのだから、実践なくして語れない。

これを仕事にしたいという立場の人だったら必須の作業。

人、場所、道具。

ぜんぶ大事。

ぜんぶ大事ななかで、失敗をヤラかす脆弱性があってはいけない。

ここでいう失敗とはうまくいかなかったことという意味では無く、実践を省略して空想のまま商品化・事業化してしまった結果のことをいう。

必ずテストをすること。

テストという段階を踏んでから商品化・事業化していく。

ありがたいことにテストの現場はいつでも開いている。朝、昼、夜。今、この瞬間だって!

いつでもその場に行って歌える。

それが砂防ダムの音楽。

春。挑戦してみたくなったら堤体前へ。いつでも歌う環境は用意されている。

やってみること。実践。
ヒノキ
カラマツ
リョウブ
サワシバ
ツリバナ
コハウチワカエデ
フサザクラ

独り占め状態

大月駅

いやはや独り占め状態といって、だれもがピンと来ない時代を生きている。

砂防ダム等堤体類の下流区間。「堤体前」と呼んでいるその場所が、独り占め状態に出来ますよ。あなただけのものですよ。だれもいませんよ。

そんなふうに言われて、大喜びする人がどれだけいるというのだろうか?

この川が?この林が?このコンクリートの壁が?

独り占め?

えっ?

そんな返事をされたときには補足する。

これは演奏施設なのですよ。と付け加える。

その価値は上がるのか。

評価は上がるのか。

魅力的なものとして映るようになるのか。

こうして文章にして発信している。

音楽ホールを否定しない。

劇場を否定しない。

スタジオを否定しない。

ライブハウスを否定しない。

カラオケを否定しない。

しかし、上記したような演奏施設には無い、あらたな楽しみというものが堤体前にはありますよ。と、それだけはただただ伝えているつもりである。

価値のあるもの。

価値のあるものを紹介しているつもり。

果たして今後はどうなる?

堤体前。

独り占め状態。このことばを言われて、人が歓喜するような時代はやってくるのだろうか。

駅前通り

シバザクラ

4月12日、午前8時20分。大月駅。

本日向かうのは、山梨県南都留郡西桂町。

さっそく西桂町に・・・、と、そのまえにまずは大月市内の目的地へ。

うわさに聞いていたもの。

駒橋信号交差点のシバザクラを見に行くのだ。

気温は9度。天候はくもり。

キャスター付きのデカバッグをガラガラ鳴らしながら、駅前通りの坂を登ってゆく。

そうだ。今日はキャスター付きバッグを引いている。

旅にはレギュレーションを設けた。

電車移動。

車がないぶん、どこでも好きなように、あっちへ行ったりこっちへ行ったりできない。

反面、旅の情緒というか、旅の面白さみたいなものは車移動のときより増幅するのでないかと期待している。

身一つ。ひ弱な状態で旅ができることはスリルをはらんでいる。車という鉄の囲いを失った弱さで、しかし道端に落ちている小さなものに気がつきながら旅を進めていくことができるミクロの旅だ。

ワクワクしている。

駅前通りをまっすぐすすんで丁字路を左に折れると「大月第一トンネル」があらわれた。

そのままトンネル内。トンネル内の歩道に沿って進む。歩道すぐとなりの車道は、車がビュンビュンと走りぬけてゆくような状況だ。

しかし危機感は無く。

ぼーっとしている。

いや、これはいつものこと。

特段、ぼーっとしている。

春だからか?

歩道に設けられた鉄の柵に護られながら、ぼーっとしながらトンネルをくぐりぬけた。

午前8時45分、駒橋信号交差点に到着。

うわさに聞いていた駒橋信号交差点のシバザクラ。

信号交差点をみごとに飾るシバザクラ。

早速カメラを取り出し、写真に収める。

「あっ、アイツ写真撮ってるぜ~」

交差点を通過するドライバーの声が聞こえてきそうである。

いや、関係ない。

見事なシバザクラの丘。むしろ、アンタたちこそわき見運転注意だよと言ってやりたい。

この道は山梨県の大動脈、国道20号線だ。花壇の存在に気づいたとして簡単にはUターンしてかえってくることができない。

へへっ。

きょうは日曜日。

しかし朝の時間帯だからか?

花壇のまえには誰もいなく独り占め状態である。

いっしょに咲いていたシナレンギョウとサツキとハナズオウもカメラに収めた。

それにしても圧倒的なシバザクラの色。目ん玉も脳も赤紫色に染まってしまいそうだ。

強烈な色彩。

目が覚めた。

駒橋信号交差点
水平には花壇に。
垂直には丘に。
こぼれ落ちそうなほどに。
シナレンギョウやサツキも。

オリンピック

午前9時半、ふたたびの大月駅。

途中から晴れてきたので暑い。駅前トイレを借りて着替えることにした。中に着ていたインナーシャツ、アンダータイツのおかげで汗をかいてしまっていたのだ。

暖かい春の旅に期待しつつも、着るものはしっかり着てきた。

旅の締めくくりにあるのはやはり堤体前での歌である。さあ、これから・・・、というときに寒くて立てません。これでは旅そのものが台無しになってしまう。

万一、冷たい風がビュービュー吹くような状況に立たされたとしても、しっかりと歌えるように。

屋外でたのしむ音楽。エアコンに守ってもらうなんてことは出来ない。良くも悪くも屋外の音楽なのである。

午前9時40分、駅前トイレで着替えを済ませると、大月駅富士急行線のりばへ向かった。

切符を買い、改札口へ。

改札口を通り駅構内へ。

人だらけ。

イベント?

山梨でオリンピック?

あれ、アスリートっぽくない人もいるじゃ・・・、

弁論大会だ。弁論大会。きっと、弁論大会があるのだろう。

日本語スピーチコンテストというやつだ。テレビで見たことあるわ。

各国の代表たち。

これだけの人数、一人あたりの持ち時間は・・・?

30秒ずつくらい?

立ち食いそばより早いわっ!

午前10時3分、河口湖駅行きの普通列車がホームに到着。ごった返す訪日外国人にまぎれ車両に乗った。

座席定員100パーセント越えの車内。

越後線とか、信越本線とか。遠くむかしの学生時代を思いだしてみても、こんなに人だらけの電車に乗った記憶はほとんど無い。そして、ここまで外国人だらけの電車に乗った記憶は確実にゼロだ。

例えるならオリンピック。

なにかの競技会場に向かう列車内といった感じ。

みなテンションは高い。

とてもにぎやかな車内だ。

世界各国のことばを聞きながら、電車に揺られた。

大月駅富士急行線のりばへ向かう。
混雑する駅構内。
普通列車の河口湖行きを待つ。
乗車。
中吊り広告までインバウンド仕様。

買い出し

午前10時15分、電車は赤坂駅に到着。

ここで途中下車。

向かったのは、赤坂駅から徒歩1分のところにある「スーパーマーケット公正屋都留店」。

公正屋である。

公正屋といえば魚。魚なのだけれど、公正屋は惣菜もうまい。

旅のお供を。

なにかいいものを。

ここはひとつ、見つけて引き連れたい。

店内に入る。向かったのは鮮魚コーナー。

真アジ、真イワシ、ニシン、ホウボウ、ウマヅラハギ、カサゴ、イナダ、ワラサ、クロダイ、スズキ、キンメダイ。

文字で表すには簡単。

しかし、これ。挙げたのは「切り身」じゃない。切り身じゃ無くて、お頭付きの魚。

つまりのところ60センチ以上もあるようなワラサやスズキがどーん!と置かれているのである。さらに「大衆魚」とはちょっと外れたところにありそうな、ホウボウやカサゴが氷の上に乗ってあたりまえのように売られている。

さらに、そのホウボウとカサゴのとなりにはベニズワイガニ、殻付きカキ、殻付きホタテが並べられている状況。

あれ?ここ山梨だっけ?

惣菜コーナーに向かった。

鶏レバーやわらか煮、若鶏の西京味噌焼き、あぶり焼きチキン、和風から揚げ、鶏竜田から揚げ、国産やきとり、鶏のガーリックペッパー焼き・・・。

全体的に鶏が多くて、もちろん豚もあれば、魚もあれば、フライドポテトもある。

他のスーパーマーケットチェーンで置かれているような加工品もやっぱり多い。しかしながら、店の規模からすれば惣菜コーナーは広く、豊富なラインナップから品物を選べる。

いい店に来られた。

惜しむらくは・・・。

惜しむらくは、国中地方には店が無い。店は郡内地方にだけ点在している。

山梨県内の地域スーパー。しかし、家の近所には店が無いという哀しみ・・・。

仕方ない。来る度、ここに立ち寄るしかないということだ。

再訪を想い、店をあとにした。

赤坂駅にて途中下車。
公正屋へ
和風から揚げにした。
あとはコレ。黒あめ。
買い出しのあとはふたたび赤坂駅へ。

イタリア人

午前11時22分、赤坂駅にてふたたび富士急行に飛び乗る。

朝の訪日外国人移動キャンペーン。さすがにもう終わったでしょ。

・・・、

またも座席定員超えの車内。

乗った車両には10人くらいのイタリア人のツアーが同乗していた。客らはツアーガイドの話しに真剣に耳を傾けている。

ツアーは男性も女性もいて年代は30~60歳くらいのグループ。

イタリア語で話しをしているので、なにを言っているのかはわからない。しかし、ツアーガイドの説明する内容に対してとにかく真剣に耳を傾けている。

旅先の移動の電車内での説明だ。ときおりシンジュク・・・、などと言っているので、日本の観光地の話をしているのだろう。

そうだ。

ツアーガイドの話しは新宿のはず・・・。

しかし、その話しに耳を傾けるときの表情。

本当に神妙な表情だ。

まさか、

「昨晩起こった重大事件の続報!」

なんて内容では無いはず。

たしかにさきほどツアーガイドはシンジュクと言っていた。

ヤバい話しではないはず。

いや、でもちょっと信じられなくなってきた。

え?え?なにかヤバいことでも起きたか?そんな深刻な話しをしているのか?

こうしてブログに書いていて、砂防ダム音楽家だって深刻な話しをしているわけではない。堤体前に行って歌って帰ってくるという遊びをただただ提案しているのである。

これは日本人が考案した遊びなので、日本発祥の遊びだ。

遊びを伝えているつもり。こちらは。

ラクに聞いてもらってかまわない。

くれぐれも、

「昨晩起こった重大事件の続報!」

そんな顔じゃなくていい。

といったって、

こんな表情で聞き入るのがイタリア人さん?

濃い~お顔だとそう見えてしまう?

将来がちょっと不安になってきた。

午前11時42分、三つ峠駅に到着。電車を降りた。

駅前にある登山道案内図を確認し、まずは西桂町役場方向へ。

西桂町役場の手前で左折。富士急行線のガードをくぐって北進する。

ミネラルウォーターの製造元である「富士ピュア」まえの曲がり角では右折。

午後0時5分、本格手打ち讃岐うどん「ふうが」に到着。

時刻は昼をまわった。食べなきゃ。

頼んだメニューは天ざるうどん。

涼味。

コシのあるうどん。

美味絶佳。

鋭気を養った。と、同時に貴重な「塩」をいただくことができた。

午後0時半、ふうがを出た。

ふたたび富士ピュアの曲がり角まで行き右折。

山祇神社(やまつみじんじゃ)に向かう。

この日、山祇神社は例祭日。

これは三つ峠駅で電車を降りたときからのことであるが、町中には縄が張りめぐらされ、さらに、その縄にはところどころ紙垂が掛けられていた。

山祇神社。こちらは社叢も敷地もあまり大きなものではない。しかし、西桂町全体を上げて祭るほど、ここは町にとっての重要スポットなのである。

きょうは「お呼ばれ」して来たのかもしれない。ご縁あってか、ハレの日に当地を訪れることができた。そして先ほどは塩も口にしている。

あとは参拝だ。

午後1時10分、山祇神社に到着。

旅の安全を祈願した。

午後1時15分、堤体に向かう。

三ツ峠山方向に向かって、ややきついのぼり坂を登っていく。

一帯に植えられている桜の木は、町民ひとりひとりの木。

すべての木ではないが、一本一本町民の名前が掲げられている。花はもうほとんど終わってしまっているが、ところどころには散らずにまだ残っている木もある。

午後1時25分、三ツ峠さくら公園と柄杓流川第一号堰堤の堤体前に到着した。

真剣に話しを聞く表情、
ビビらずうまくしゃべれるのだろうか?!
三つ峠駅
駅前にある登山道案内図
目的地の場所を確認。
画像中央のボコッと突き出た山が「三ツ峠山」。
ふうが
春。冷たいうどんがうまかった。
山祇神社にむかう。
到着。
旅の安全祈願のため参拝した。
三ツ峠さくら公園と柄杓流川第一号堰堤に到着。

柄杓流川第一号堰堤

水は帯状に湛水。帯の幅は2メートル程度。堤体の中央、集中するかたちで落ちている。

水が集中する原因としては、堆積地の土砂に着いたアシ。アシが密生することによって、堆積地上には流路が形成されている。

流路によって狭められた水。

水はやがて放水路天端下流カドに達し、堤体水裏斜面を一気にながれ落ちる。

水裏斜面。その表面には残存型枠による割石模様。

水は割石模様に激しくからみつきながら落下する。

一気に落下。そして着水。

アシの密生と激しくからみつく水。

堤体本体周辺は非常にさわがしい景色だ。

柄杓流川第一号堰堤
表面は割石模様の化粧型枠。
ケヤキ
マダケ
ヤマハンノキ
アカマツ
堤体前からトイレが近い(徒歩10秒くらい)。

待ち

公園の芝生広場にレジャーシートを敷き、荷物を置き、さらに体も預ける。

待ち。

待ちだ。

ここでいますぐに歌うことだってできる。

しかし、

自分の歌を聞いてくれる人(聴衆)は必要ない。

自分の歌を評価してくれる人も必要ない。

旅の歌は「歌が好き」ということを最大、突き詰める歌でありたい。

まずは自分自身のやりたい歌をやる。

自分自身の歌いたい歌をうたう。

日曜日の公園である。やはり公園を訪れて遊んだり、のんびりレジャーシートを敷いて過ごしている人がいる。

だからといって、

プレーヤーと聴衆という関係にはならなくていい。

時間が解決してくれる問題である。

屋外でやる音楽だ。

空間は徐々に闇を呼ぶ。

やがて闇に追われ、人々は帰りの路に就くだろう。

チャンスの時間はそんなころ。

人がいなくなった公園。

自分自身しかいない堤体前。

プレーヤーとして、そんな演奏施設の到来を待つ。

レジャーシートに座り、待った。
カラーマーカーを持参した。
数字は堤体本体との距離。
単位はメートル。
これなら距離を一目瞭然で知ることができる。
飴をなめながら待った。

聞こえない

午後4時20分。チャンスは来た。

自作メガホンをセットし、声を入れてみる。

鳴らない。

設定した立ち位置は堤体から62.5メートルの地点。

カラーマーカーの60メートル地点と65メートル地点のちょうど中間の位置。スニーカーでもエントリーできる芝生上の立ち位置だ。

立ち位置に実際たってみると右岸側には斜面、左岸側には平地。いずれも林地になっていて、反響板効果(音が樹木に当たって響くような効果)が得られそうには見える。しかし思ったように響いてくれない。

いや、まったくと言っていいほど聞こえないのだ。

立ち位置至近のノイズが気になる。

堤体本体から落ちた水。水はその後、二カ所の階段工区間を通過する。階段工はいずれも自然石を布積みした階段工で、水は組まれた石と石のあいだをすり抜けながら落下していく。ノイズは落下した水が接地する際に発せられたもの。

階段工が近すぎるのか?

さらに、もう5メートル下がってみる。5メートル下がって立ち位置は67.5メートル。67.5メートルの地点からふたたび声を入れてみる。

鳴らない。

やはり階段工によるノイズの影響が大きく。立ち位置に立っていても常に耳が叩かれているような感じで、まず自分の声が響いているのかどうか。そこがまったくと言っていいほど把握できない。

立ち位置はさらに下がって75メートル地点。

階段工からはだいぶ離れることができた。ノイズの影響はあからさまに小さくなり、音によって耳が叩かれる感じはかなり軽減された。

これならばノイズと声とのバランスに期待がもてる。

ふたたび声を入れてみる。

ようやく。

ようやく堤体前は鳴ってくれた。

方位は割石模様のミゾで計測したもの。
レーザー距離計はメートル表示に変更。
風は無風。
銘板。
階段工。影響大きいノイズ源。
右岸側。
左岸側。
さらに左岸側手前は、駐車場になっていて開けている。
公園。意識的に整備された空間である。

デメリットとメリット

結局、この日は午後6時まで堤体前で遊んだ。

自分自身のやりたい歌をやれたこと。

人がいない状況で歌えたこと。

堤体に対し声を入れていくなかで、響きを求め、立ち位置を探ることができたこと。

すべては達成された。

プレーヤーとして、聴衆というもののいない堤体前を望んでいる。しかしながら、それがいついかなるときも実現できるとは限らない。

この日は夕方、夜闇まえの時間帯まで「待つ」ことができた。待つことを選択した結果、求める環境は用意された。

柄杓流川第一号堰堤。

当地は、堤体前にして公園という特殊な環境。その公共性。やはり、自分自身の一存で空間を独り占め状態にすることはできない。

公共スペースであるがゆえの難点。

反面、空間へのアクセス、また空間そのものの過ごしやすさという点では非常に利便性に優れた堤体前であった。

最寄り駅から歩いてここまでたどり着けたこと。

芝生広場、駐車場、遊具など「人」を対象にした設備のなかで歌えたこと。

トイレが近かったこと。

意識的に整備された景観を見ることが出来たこと。

レクリエーション施設としての堤体前空間。これを完成させることは、砂防ダム音楽を愛する砂防ダム音楽家同士にとってのひとつのゴールでもある。

見た目や響きといった音楽的なことのみならず、空間としての過ごしやすさが打ち出された演奏施設を想像する。

砂防ダム等堤体類のひとつの未来の姿であり、そこに目標があり、さらにその先には「もっといいところ。もっといいところ。」という堤体の産地間競争がある。

どんな演奏施設が良いのか?ということは、頭の中でもイメージできるし、コンピューターグラフィクスで描くこともできる。

しかしながら、やはり実践であるとか、実物を見ることの大切さというものがあるわけで、それを今回おとずれた「三ツ峠さくら公園」は実現させてくれた。

真似するべき点、改善するべき点。様々あるだろう。そんな様々を実体験を通じて学べることができた、貴重な歌える堤体さがしの旅であった。

実体験を通じて学べた。